ふじもとペットポートレートフォトグラフ(FPP)カメラマンの藤本圭樹と妻の和美です。
私共夫婦は日大芸術学部写真学科のゼミで出会い、以来四半世紀共にポートレートを中心に写真を撮っています。


昨年夏まで私と妻と猫2匹の暮らしでした。二人とも幼少期から犬猫がいる環境で育ち動物が大好きだったのですが、9年前4日間壁に挟まっていて死にそうに弱った子猫が我が家にやってきました。
大工さんが半日掛かりで天井や壁をはがして救助し、20日間毎日病院に通って命を取り留めた運の強い猫で、この子が「みい」です。
そして7年前、勝手口を開けるとボロボロの猫が座っていました。ごはんを出してあげると朝夕と訪ねて来る様になり、ある日、ドアを開けると中に入れてくれと「ぎゃあおぅ」となきながら顔を突っ込んできました。こうして「にゃお」はうちの子になりました。

「にゃお」は置き去りにされてしまった猫のようでした。ある日後をつけると、裏手のワンルームマンションの通路外にひっくり返して置いてある座椅子の中にうずくまっていましたから。
動物病院に連れて行くと、相当なおばあちゃん猫で腎臓にも疾患を抱えていました。この状況の猫ではあまりなつかないだろうけれど、とにかく一日でも安心して暮らして欲しいと2人と2匹の暮らしは始まりました。
はじめは部屋の隅に置いてあげた段ボールの中から様子を覗っていた「にゃお」も段々となれておずおずと妻の手に乗り抑え込んで朝までずっと離れませんでした。それから腕乗り猫になり、背乗り猫になり、一日中抱っこをねだる猫になりました。その頃になると、瞳には揺るぎない信頼がうつり、愛おしくてたまりませんでした。
5年も経つと夜は布団に入って一緒に寝るようになりましたが、毎年夏になると体調を崩し、徐々に血液検査の数値も悪くなっていきました。

獣医さんからは「猫の1年は人の4~5年です。十分に幸せな時間が持てましたよ」
と毎年慰められる状況に一緒にいられる時間は1日ずつ減っているのだ と覚悟しながらの6年間でした。
2012年初夏も体調を崩し自分ではご飯を食べなくなってしまいました。それでも抱き上げて注射器で流動食を口に入れてあげると、じっとこちらを見つめながら、頑張って飲み込んでくれました。食事が終わると食後のお約束の 抱っこ散歩 を要求します。30分ほど部屋の中をぐるぐると歩くのです。もう自分では歩くことが出来なくなっていましたので、それが楽しみだったのでしょう。椅子にすわると、もっと歩けと言わんばかりに後ろ足で蹴りを入れてきました。

最後の1週間は、見ていない時に一人で逝ってしまわないように夫婦交代で付き添っていました。その日の朝もお気に入りの窓辺のベッドで夜明けを一緒に見ていました。
「もう逝っていいよ よく頑張ったね ありがとう 大好きだよ きっとまた会おう」と抱きしめて逝かせてあげられたのですから大往生なのはまちがいないのですが、いつも傍らにいた子が居ないのはとても寂しくて辛いものです。目は知らず知らずにその子の姿を探してしまいます。

仕事柄、写真は沢山ありましたので四つ切プリントを額装してベッドの脇には待ちくたびれて「土下座寝にゃお」ドアの横には「寝ぼけにゃお」キッチンには「おねだりにゃお」ソファーには「背乗りにゃお」という具合に飾っていきました。
写真を見ながら、“にゃおかわいい にゃおと出会えてとても幸せだった”“今もこれからもずっとにゃおのことが大好きだ”というふうに夫婦で思い出を語りあううちに自然と悲しみは和らげられていきました。
そしてにゃおは今は虹の橋のたもとで楽しく暮らしているのだと思えるようになりました。
虹の橋のたもと の話をご存知でしょうか?
死んだペットは天国の入り口手前の 虹の橋のたもとで沢山の動物たちと遊びながら、飼い主がいつかお迎えに来てくれるのを待っているそうです。その日が来たら、ハッと顔をあげて嬉しそうに駆け出して飼い主と一緒に「虹の橋」を渡って行くそうです。
ペットも家族と同じですね。一緒に暮らした幸せな時間はずっと心の中に刻まれて感謝の想いと共にまた会う日を楽しみにして過ごしていきましょう。

その時ふと・・・
自分は仕事柄こんな写真を沢山持っているけど、普通はちゃんとした写真はないよな・・・実際、子供のころに家にいた犬のコロや猫のみみこの写真はL版のちょっとピンぼけの写真しかありませんし、それでは淋しすぎるよな・・・と思いました。最近ワンちゃんを亡くした友人は残念ながらあまり写真を撮っていなかったそうで、「元気な時にもっと写真を撮っておけばよかったな」と悲しみに暮れていました。
実は私たち夫婦も後悔していることが一つだけあります。にゃおと一緒の家族写真を撮っていなかったことです。本当に撮っておけばよかったとしみじみ思います。
そこで今年「みい」と3人で家族写真を撮りました。いつだってこの写真を見れば元気になれると思います。写真にはそんな力があるんですね。

そういう経験をふまえて、愛犬愛猫の最高のショットを撮影させて頂く意義を感じ宅訪によるペットポートレート撮影を始めようと考えたのです。

何故宅訪撮影かというと、通常犬や猫は、縄張りから連れ出されるとおびえて緊張してしまいます。
飼い主さんがいつも見ている可愛らしい表情やくつろいだ仕草を撮影するのであれば、彼らの縄張り、つまり普段の環境である家の中で撮影するのが一番良いのです。

飼い主さんとの心のつながりを感じさせる写真、幸せに満ちた飼い主さんとの暮らしを一枚の写真に収めたいのです。犬や猫を家族の一員として愛している皆様へは、この機会にペットポートレート撮影をお勧めいたします。

これから幸せなわんこやにゃんことたくさんたくさん出会えることを楽しみにしています。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。
動物と人が共に幸せに暮らせる社会を夢見て頑張っていきたいと思います。